川田将雅の涙、オーソクレースの成長、そしてランドオブリバティの大逸走と話題の尽きないレースだったが、まずは「もうひとりの天才少年」ダノンザキッドについて振り返りたい。

「もうひとりの」と称したのは、ちょうど朝日杯FSを勝ったグレナディアガーズに続いてその呼び名に相応しいと感じたから。抜群のポテンシャルで無敗のまま2歳G1を制した。

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決してスムーズなレースではなかった。やはり勝ち気なメンタルは相変わらずで、道中も少し行きたがる素振りを見せながらの追走。鞍上が懸命になだめながらのレースとなったが、それでもガス欠を起こすことなく好位からきっちりと抜け出した。
これで抑えが利くようになったらどれだけ走れるのだろう。そんな楽しみも残す一方で、能力的には現時点ですでに完成度が非常に高く、来年どこまで伸びしろが残っているかは何とも言えないところ。オーソクレースのみならず、他の有力馬を相手にこのアドバンテージを保てるかは微妙と見ている。
とはいえこの勝利の価値が下がるものではない。特に川田将雅にとっては、デビュー時に所属していた安田隆行厩舎の管理馬で初めてのG1勝利という、これまでの栄冠と比べても重要な仕事を成し遂げた。
すでにご存知の方も多いとは思うが、約10年に短距離戦線で活躍したダッシャーゴーゴーとのコンビでは、G1での降着処分を受けるなど苦い経験も味わった。その後、CBC賞を制した際には勝利騎手インタビューで涙を流す場面も。それから時は経ち、今や現役トップクラスの実績を積み重ね、感情を表に出すことも少なくなった「勝負の鬼」が、再び公の場で人目もはばからず涙を流したことが、その勝利の意味合いの重さを物語っていた。

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これがちょうどダッシャーゴーゴーのCBC賞を振り返る際のエントリで、ホープフルSが終わった直後からアクセス数が伸びている。「川田将雅 涙」で検索すると1ページ目に表示されるくらいだからそりゃそうなのだが、肝心の中身が我ながらひどいw もうちょい詳しく描写すればよかったのにと思う一方、11年の6月は新しい職場で流れに乗れず苦しんでいた時期だったはずなので許した。



勝ち馬には完敗だったが、オーソクレースにとっては手応え十分の2着だったのでは。最大の懸案材料だったゲートを五分に出て、道中は好位をうまく立ち回れたのが何よりの収穫。完成度で言ってもまだまだこの馬は奥が深い。来年の春にはダノンザキッドに雪辱を。
3着のヨーホーレイクはスタートが遅く後方からの競馬になったが、それなりに脚を使って馬券圏内へ。水準級の能力があることはわかったので、次は弥生賞あたりで皐月賞の権利取りと賞金加算を狙う流れになるだろうか。

そして最後になったがランドオブリバティ。信じられない形で競走を中止することになってしまった。少し膨れながら4角を曲がってくるのを見て「ん?馬場のいい外を選ぶのか??」と思ったらその直後に吹っ飛んでいってしまった。その瞬間に馬券もオール紙屑化。2歳戦とはいえ新馬戦でもあるまいし、まさかこんな形で一週間じっくり検討を重ねたレースが終戦してしまうなんてショックは大きい。
原因は馬の気性によるとしか考えられないが、一つだけ悔やまれるとすればハナに立ってしまったこと。恐らく三浦皇成も不本意だったと思うが、他が行かないことで押し出されるような形で不慣れなレース運びになったことが、馬のメンタルに影響を与えたのはあるだろう。思い起こせば1角に入る時点でちょっと外に張り気味だし、口向きも怪しい..

こんなこと言うても仕方がないけれど、手応えは十分に残っていたし、勝ち馬には捕らえられていたとしてもオーソクレースには先着できていた可能性は高いように思う。予想そのものは決して間違いではなかったし、「強い馬がそのまま強さを見せる」G1ホープフルSの本質にも迫れた手応えはあるので、この悔しさは必ず晴らそう来年。

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