ペースが落ち着くと苦しい競馬になるのでは..と危惧していたが、クロノジェネシスは強かった。自ら動いて他馬をねじ伏せる圧巻のレースぶり。これぞ単勝1番人気、ファン投票1位の期待に応える勝利だった。

正直キセキが出遅れた時はどうなることかと思った。しかし北村友一は冷静だった。位置取りこそ後方ながら、包まれることなくいつでも動けるポジションを確保。バックストレッチから徐々に前との差を詰めにかかると、4角ではもう先頭を射程圏に。先に抜け出したフィエールマンを捕らえると、大外から追い込んできたサラキアの強襲も抑えてのゴール。3つ目のG1制覇となったこのコンビだが、単勝1番人気に応えての勝利は初めて。「受けて立つ」立場になっても揺るがぬ強さを見せた。

今回もプラス10キロと馬体もどんどん成長を遂げており、ひとつ下の世代の三冠馬2頭を相手にしても簡単に退けてしまうのではないかという予感と風格が漂う。未だに底知れないポテンシャルで来年はどんな活躍を見せるのか、まだまだ楽しみは尽きない。



重箱の隅をつつくような格好でクロノジェネシスに本命を打ち切れなかったのは仕方ない。問題はサラキアの激走だ。これには参った。
いくらこの馬も充実期にあるとはいえ、有馬記念ではタブーとされるスローペースでの大外一気で間に合ってしまうなんて全く計算外。こういうことされると来年以降の検討にも悪影響を及ぼすので本当やめてくれませんかねw
早めに動くと末脚が鈍るとの判断で、勝ち馬のスパートにあえてついて行かなかったのはエリザベス女王杯と同じ。その分、ゴール前の切れ味は勝ち馬をも凌駕するレベルで、上がり3Fもダントツ最速の35.4秒。これは強烈だった。
この豪脚を引き出したのは三冠ジョッキー松山弘平。充実の1年を締めくくる好騎乗だった。これからが期待される競馬学校卒の中堅騎手2人によるワンツーが有馬記念で見られたのは喜ばしい限り。



フィエールマンは勝って男の意地を見せたかったが、惜しくもゴール前で力尽きた。スタートこそ遅かったが、読み通りルメールが早めのリカバリーでポジションを取りに行った段階で好走は約束されたようなものだったが..今年の古馬中長距離路線でG1を勝ったのはこの馬だけ。そろそろ「牝馬の2キロ減」については真剣に考えなければならないのではないかと思うほど、牡馬は劣勢に立たされ続けている。

4着ラッキーライラックはペースが落ち着いたのが奏功。ロスなく立ち回ってラストランでも存在感を十分に発揮した。5着(同着)に終わったカレンブーケドールはもう少し内に潜り込む形に持ち込んでほしかった。ポジション取りも含め池添謙一の判断はやや消極的だった。結果的にどう乗っていても足りなかったとは思うが、馬券を買っていた立場からすると残念。

掲示板も牝馬牝馬アンド牝馬でした。



馬券はカレンブーケドールから馬連で買って撃沈。しかしたとえクロノジェネシスから買っていてもサラキアは絶対に拾えなかった。無理ゲー。あとこの馬場を考慮してブラストワンピースの復活がないかとこの馬からも少しだけ買っていたら心房細動で競走中止に..ホープフルSのランドオブリバティに続き二日続けて完走できない憂き目に遭ってしまった。

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かつてはこれほどのパワーを要する馬場で牝馬が無双するなんてとても考えられなかったが、時代の変化とは恐ろしいものだ。ここに出ていない馬でもグランアレグリアやデアリングタクトなど、アーモンドアイが現役を去った今も次々に強い牝馬の名前が挙がる状況。これで来年コントレイルも通用しないようであればいよいよ困ったものだ。

当分は続きそうな牝馬の時代。有馬記念史上初の牝馬によるワンツー決着が、何らかの警鐘となりそうな。その流れが生まれたら個人的には歓迎である。