球際の弱さ、選手層の薄さ..日本シリーズで圧倒的に打ちのめされた読売ジャイアンツが、敗因として挙げられた要素。ちょっとどこかで聞き覚えがありませんか。そう、シーズン中に阪神タイガースが天敵にいいようにやられる度に指摘されてきた要素。

秒で終わった4試合、少しだけ見ていたが試合前から読売さんから「勝てる気がしない」オーラが出ている。これは実力差どうこう以上に意識の問題。これもまるで読売戦を前にした阪神のようだ。なので「うんうん、気持ちはわかるぞ」と思いながら見ていた。

ぶっちゃけ阪神や中日、DeNAが出た方が1つか2つくらい勝てたんじゃないかと。怒られますかね?

すっかり地に堕ちてしまったジャイアンツプライドではあるが、それを言っちゃあセ・リーグの5球団はどうなるのという話で。そんな弱い方のリーグですら完敗を喫してしまった阪神タイガースって一体..(声:キートン山田)



終わってみれば昨年の3位から2位へと進歩を遂げたように思うが、読売さんに冷や汗をかかせることもなく独走を許してしまった。よって達成感はゼロ。開幕から2勝10敗というとんでもない出遅れをかましたことを思えば上出来なのかもしれないが、それも含めてのシーズンですし。まだまだ全体的なレベルアップが欠かせない。

ちょっと各ジャンルごとに振り返ってみる。

● 先発投手
多少の誤算がありながらも、どうにかまとめたのは投手の運用には困らない伝統の成す業か。西勇輝、青柳晃洋が規定投球回数をクリアし、開幕にこそ間に合わなかった高橋遥人が改めてポテンシャルの高さをアピール。そして秋山拓巳が「ソイッ!」と雄叫びを上げながらサクサクとゾーンにボールを集めて3年ぶりに2桁勝利を達成した。
一方でガルシアが期待はずれに終わり、ガンケル・岩貞祐太も中継ぎに転向。藤浪晋太郎も何度かチャンスを与えられたが、計算の立つ戦力にはなれなかった。西が移籍2年目で成績を伸ばしたことからも、ここでもう一本リーグを代表する先発投手がいればおもしろいことになってくるのにねえ大野雄大さん?と思っていたのだがFA宣言はせず残留。来年も苦しめられそうだ。

● 中継ぎ・抑え投手
こちらも誤算が相次ぎながら、どうにかやりくりして乗り切った感。エドワーズや守屋功輝が開幕早々に離脱し、藤川球児も不調でクローザーが白紙に。阪神といえばブルペンだというのにこれはマズい。と思っていたらスアレスが代わりに抑えを務めてくれたし、岩崎優も徐々に本来の力を発揮。先発の項で触れたガンケルや岩貞もこちらに回り、終わってみれば今季も帳尻は合わせることができたのでは。他にも馬場皐輔の台頭なんかもあった。

● 捕手
物議を醸した開幕3連戦でのスタメン捕手シャッフル事件。あれは未だに理解ができない。さらにそれが影響したのか、今度は7月に梅野隆太郎が全試合スタメンでしたっけ。極端か。案の定それで梅野の打撃成績が下降し、さらに故障で一時離脱。もっとペース考えたらどうよ。坂本誠志郎・原口文仁と人材には恵まれてるんだから。
坂本もダルビッシュ公認フレーミングを武器に存在感を発揮。打撃も絶望的でないのがポイント。原口は終盤、例によって代打で活躍。いざとなったらマスクもかぶれる代打の神様、という使い方もいいよね。これからも健康に気をつけて頑張ってほしい。

● 内野手
補強の目玉扱いだったボーアは見立て通り四番を務められるタイプではなかった。下位打線に置いてハマるのを待つ。たまに飛び出す意外性の一発がチームを勝利に導くこともあったが、いかんせん精度が低かった。高額な年俸に見合わないという判断は妥当だと思うし、あとは終盤に露呈した走塁面のマズさが構想外を決定づけた気もしている。
糸原健斗は絶好調時に骨折で離脱したのがあまりにも悔やまれた。トータルの成績はOPS.733と「ザ・糸原」な数字だったが、彼が不在だと植田海や熊谷敬宥がスタメンで出てくる絶望感を味わうだけに、その存在のありがたさを改めて認識させられた。
遊撃手の「木浪・北條の乱」は北條史也の失脚によって木浪聖也が主力を務めることになった。守備面は随分と改善が見られたものの、打撃面は限界を感じる。もうワンランク上の選手が出てきてほしいので、中盤以降に出場機会を増やした小幡竜平の成長には思い切り期待したい。
ここまで景気の悪い話が中心だが、大山悠輔がついに本物の大砲への第一歩を踏み出せたのは今季一番の収穫と言えるだろう。28本塁打は143試合換算で33〜34本相当。ああ、何てまばゆい数字だ。それでもまだ内容に乏しい打席も見受けられるだけに、まだまだ伸びる余地もありそう。あとは守備で速い打球への反応が鈍ってきつつある(UZRも悪化)ので、昨年くらいのフットワークを取り戻せれば最高。

● 外野手
糸井嘉男・福留孝介のベテランにずっと支えられ続けていた状況を打破できたのは大きい。その原動力となったのがサンズ。スペア的な扱いで開幕は二軍スタートも、徐々に調子を上げると一時はOPS1.0前後をマークするとんでもない強キャラで、しかも得点圏の鬼。ついでに火曜日の鬼でもあった。終盤は疲れや死球の影響もあって大きく数字を落としてしまったが、それでもOPS.814は及第点の数字。どうやら残留交渉は順調のようで、来年はもう少し好調期を長くしてもらえれば最高。
それから近本光司の成長も見逃せない。1年目は盗塁王に新人安打記録更新と数字は派手だったが出塁率は低く三振も多い、さらに盗塁成功率も低く課題も山積だった。それが今季は各部門の数字を伸ばし、さらに中堅手UZRでも群を抜いた数字をマーク。その結果WARでは坂本勇人や鈴木誠也、岡本和真らと並んでリーグを代表するほどになった。ピンと来ないけどw 内野で大山、外野で近本と柱となりうる選手が台頭してきたのは大きい。
糸井のフル稼働は望めないしそんな惨状は見たくもないので新人の佐藤輝明くんにはぜひとも開幕から右翼手のスタメンで出てくれることを期待したい。プラトン役として陽川尚将が計算できそうになってきたのは地味にありがたい話。中谷将大や盪浬咾量樵阿鮟个垢里呂發Δ笋瓩茲Α

● 総括
散々言われている失策数も含め、まだまだ力不足な面は否めない。ただ、梅野・大山・近本とようやく他チームに誇れる野手が出てきたことと、マルテ・サンズと最低限の数字を見込める外国人野手が来季は最初からいるのは計算がしやすい。貧打の底は脱した感。あとは二遊間のスケールアップだよな..
あとは西が元気でいられるうちに双璧を成すレベルの先発が欲しい。高橋遥がそうなってくれればいいが、どうしいてもケガのリスクが付きまとうタイプだけに..もう藤浪の名前は出したくないけど、今季の中継ぎ療法が奏功することを願って。

ぶっちゃけ、菅野智之がメジャー行って坂本あたりが徐々に下降線を辿る2022年あたりが優勝のチャンスだと思ってるんですよね。逆にその頃、阪神は戦力がピークを迎えてる可能性ある。その足がかりとなる来シーズンとしたい。そのための必要な監督が誰なのか、は何とも言えませんが..